「信頼と信用」beingは、3つのS(ステータス・ストーリー・スタンス)で構成される。

最近、「目的設定ができないものの成長」をテーマに考えることが多い。

たとえば「精神性を深める」といった話もそうだけど、「信頼と信用」についてよく考える。

1日3時間だけ働いておだやかに暮らすための思考法」の著者である山口さんはこう言う。

この言葉を初めて目にした時、僕の印象にずいぶんと残った。今日は「信頼と信用」について考えたい。

「信頼と信用」サマリー

長くなってしまったので、要点をサマっておく。

  • 信用=過去の実績から、その人を信じる。
    例:過去の業績がいいから、銀行に信用されて融資を受ける。
  • 信頼=仮に過去に実績がなくても、人間を信じる。
    例:実績0の若者が、人柄とポテンシャルを信頼されて投資を受ける。
  • 信頼は「他者への貢献の積み重ね」
  • 信用は一目でわかるけど、信頼は時間がかかる
  • 信用を決めるbeingは、3つのS(ステータス・ストーリー・スタンス)で構成される

以下、本編です。

「信頼は未来を信じる」「信用は過去を信じる」

双方のちがいを複数の文献で調べると、「信頼は未来を信じる」「信用は過去を信じる」といった文脈で書かれているものが多い。

この文脈に沿って、僕なりに説明してみる。

わかりやすい信用から説明すると、とある社長の過去の実績を見て銀行がお金を貸す場合、「信用があるからお金を貸す」となる。

一方、誠実でポテンシャルがある若者に対して、実績はないけど投資をする場合、「若者を信頼して投資をする」となる。

補足すると、若者には実績がないから事業の成功確率は読めない。つまり新規事業を創る力への信用はない。でも、誠実さといった人間に対する信頼があるから、投資をする。

前者の社長の場合、銀行員は社長の人間性に対して信頼があまりなくても、過去の実績という信用があるからお金を貸すことはできる。

信頼は他者への貢献の積み重ね

では、以下の言葉を僕なりに解釈する。まずは信頼から。

信頼はdoingで貯まる、信用はbeingで決まる

人々は僕が行うこと(行ったこと)を通じて、僕という人間を信じられるかどうかを判断すると思う。

つまり、他者に対する貢献の積み重ねで、僕の信頼度は貯まっていくのだ

このBlogを読んだ誰かに良い気づきがある、とか。そんな小さなことでも積み重なっていくことで、僕の信頼は貯まっていくはずだ。

クライアントワークもそう。僕の良い提案から成果が上がり続けることで、「Takk.なら仕事を任せられる」という信頼が貯まっていく。

信用は一目でわかるけど、信頼は時間がかかる

ここで一旦、さっきの言葉を見返したい。

信頼はdoingで貯まる、信用はbeingで決まる

あることに気づく。

信頼は「貯まる」なのに、信用は「決まる」となっている。

一概には言えないかもしれないけど、信頼は時間をかけて「貯まる」印象があり、信用はわりと短期間で「決まる」ともとれる。

冒頭の例もそうで、社長の信用度は過去の実績を参照すれば一目でわかるけど、若者の信頼度は短期間の付き合いで計れない可能性が大いにある。

beingを構成する3つのS

では信用がbeing(在り方)で決まるとして、そのbeingは何で構成されているのか。

僕なりに3つのSだと考えている。

  • ステータス(status):社会的地位の象徴・自らの現状説明・実績etc.
  • ストーリー(story):今に至るまでの物語・原体験・doingの背景や想いetc.
  • スタンス(stance):社会的な態度や意見の表明・doingに至る固有の視点や考えetc.

※適切な言葉を探すのがむずかしかったから、etc.で曖昧にした。ニュアンスだけ汲んでいただきたい。

こんなイメージだ。

  • ステータスで「どんな人で何をしているのか?(Who, What)」を伝える。
  • ストーリーで「なぜやるのか?(Why)」を伝える。
  • スタンスで「どうやってやるのか?(How)」を伝える。

「過去の実績」はステータスの一部でしかない。その他にもWho, Whatを伝える要素はたくさんある。

有名なサイモン・シネックの動画の通り、人を動かすのはWhyだ。

そして、その人がどういった意見や考えを持っているかで、課題に対してのHow(どうアプローチするのか)を想像できる。

人のbeing(在り方)は、3つのSで構成されるではないだろうか。

最後に個人的な話。僕は会った人にわりと信頼してもらえる方だけど、3つのSを人に伝える努力はあまりしてこなかった。だから信用はまだないかもしれない。ここはこれからがんばる。

でも一方で、より大事なのは信頼だと心のどこかで思っている。

信頼は他者に対する貢献の積み重ねだ。

今日、明日では貯まらない。

3つのSを人に伝える努力をした上で、毎日の行動の中で、他者に対して何らかの貢献を積み重ねていきたい。