Everything is a magazine.

僕は自分のことをビジネスマンと思ったことはなく、マーケターと言ってみたことはあるけど、全然フィットせず。

何かをつくることは得意だけど、それを売ることは得意だと思ったことはないのである。

そんな僕にひとつのアイディアが生まれた。

それは、「すべてを雑誌だと考える」というものだ。あるいは「すべてを雑誌だと思って売る」でもいいかもしれない。

すべてを雑誌だと考える。

これだけだと何を言っているかわかりづらいけど、ようはこういうことだ。

資本主義的な成長はもはや停滞期に入り、モノは溢れている現代において、単なる「モノ売り」がうまくいかないことは明らかだ。

人々が欲しているのは、モノではなく、すべからく「体験」であり、そのプロダクト(やブランド)がどう自分の人生やライフスタイルを変えてくれるのか?ということだ。

たとえば、僕はいま車があったらいいなと思っているけど、それは単なる“移動手段の向上”といった話ではない。車があるライフスタイルを想像して、憧れているのだ。

そこで考える。僕はまだ車を手に入れていないけど、すでに頭の中では「車があるライフスタイル」を想像して、車がどう自分の人生やライフスタイルを変えてくれるのか?といったことを妄想しているのだ。

この妄想を喚起するものこそ、雑誌。TV CM, インターネット広告etc. と、いろんなものが該当するけれど、僕にとっては雑誌なのだ。

雑誌はメディア(媒体)であり、ライフスタイルの提案はするけど、基本的にモノは売らない。特集があり、セレクトがあり、インタビューがあり、いくつものTopicsがからみあって、大きなひとつのテーマや文脈が存在する(もちろん、それは時代によって移り変わる)。

しかし、モノは売らない。あくまでライフスタイルの提案なのだ。

ビジネスを雑誌づくりのようにとらえる。

さて、僕はモノを売ることは得意じゃない。でも、人に夢を見させたり、ライフスタイルを提案して妄想してもらうことは、やぶさかではない。

だからこそ、ビジネスを雑誌づくりのようにとらえると、いろんなことがうまくいく気がするのだ。

そのためには、編集が必要。そう、ビジネスマンではなく編集者であればよいのだ。きっと、すべてうまくいくのだ。たぶん。