Withコロナ社会を前にした僕の個人的な所感(主に働き方について)

安宅さんのブログを読んだ。

そろそろ全体を見た話が聞きたい2(ニューロサイエンスとマーケティングの間)

新型コロナウィルスが世界を席巻する現状について、国や人々の感覚がどのように変容していくのか、あるいはすべきかを説いた重要な文章だ。

ここでは僕の理解のために、重要だと思う部分をピックアップさせていただき、自分の所感を交えて備忘録を残したいと思う。

Withコロナ社会を前に僕が思うことを、主に働き方についてざっと書いておく。

Withコロナ

アフターコロナ(コロナ以後)を考えようとしたNewsPicksのテーマ設定に対して、安宅さんは「Withコロナ」だとおっしゃった。

【シン・ニホン】落合陽一×安宅和人「日本再生を考える」

この言葉にドキッとした人は多いかもしれないけど、ウィルスが進化し続けることを考えると、新型コロナ(COVID-19)が収束しても、新たなウィルスが発生することは必至だ。

そろそろ全体を見た話が聞きたい2」では、いかにWithコロナであるかを、詳しく述べている。

ここでは今後の世界は「Withコロナ」であるという前提を示すのみで次章に移る。

課題解決の5領域

安宅さんが示したのは、5つの領域における課題解決の必要性だ。以下、引用する。

1)COVID対応、、いかにダメージを少なくし、制圧し(安定的な平衝状態を実現し)、医療システムの崩壊を防ぐか。

2)社会の基本コアシステムをどう回すか、、ヘルスケア、ビジネス、教育、行政システム、飲食をどのようにこの状態で回すのか

3)社会のOS的なインフラ機能をどう止めずに回すか、、通信、物流、電気、ガス、石油、上下水道、ごみ処理など(農業・漁業もほぼここに入るだろう)

4)お金、、経済的に企業や家庭がどのようにしのぎ、立ち直っていくか

5)ルール作り、、これらの不連続かつ急速な変化に対してどのようにフレキシブルかつ大胆に対応し、方向性を修正していくか

一端でしかないけど、整理してみると安宅さんの思考が朧げながら見えてくる。

  • まず急務は「COVID対応」
  • そして社会のコアシステム・インフラをこの状況でどう回すか。
  • さらに企業・各家庭の経済が壊滅的な打撃を受けることなく、立ち直っていくか。
  • 最後にWithコロナ社会のルール作り

おそらく対応が終わることはないから、対応しながら順応して、新たな社会の在り方を模索していくイメージだと思う。

Withコロナ社会における4つの方向性

安宅さんはWithコロナ社会における4つの方向性を、以下のように指し示して、「開疎化」と名付けている。

  1. 密閉(closed) > 開放(open)
  2. 高密度(dense)で人が集まって活動 > 疎(sparce)に活動
  3. 接触(contact) > 非接触(non-contact)
  4. モノ以上にヒトが物理的に動く社会 > ヒトはあまり動かないがモノは物理的に動く社会

「開疎化」とは、開放と疎(sparce)の造語で、わかりにくい疎とは「まばら・間が空いている」といった意味だ。

対立するものとして、「密(人工・都市・通勤・イベント)」と「密閉(密室・空調・静止)」を挙げているけど、これをわかりやすく表現すると、「人が密集して空気の入れ替えがない状態」だと思う。

安宅さんは、これつまり「都市」だと言う。スケールを大きくして捉えると確かにそうだ。

都市一極集中などと言われて久しいけど、今回の件で、今後は地方に移ろうとする人はさらに増えると思う。

スケールを小さくして捉えると、密閉された空間が敬遠される可能性は高い。個人的には狭いバーやワインスタンド、コーヒースタンドが好きなので、建築や空調が再定義されてバーのような密閉された空間のリスクが下がるなどに期待したい。

僕の体験や所感を綴る

安宅さんのブログは、後半に5つの課題解決領域における目標の再設定に話は移る。細菌やウイルスを吸着するフィルターを室内空間に標準装備とか、土や自然での遊びを強化とか、興味深い提案が目白押しなので必読。

ここでは、僕自身の体験や所感を綴る。僕はクライアントワーク(オウンドメディア運用やmission/ visionの策定など)と、スムージーブランドの成長にコミットしているから、その視点での話で書く。

僕自身3月の終わり頃から在宅ワークに切り替え、仕事は100%家で行うようにした。実はビフォア・コロナも、オフィスにいく必要はなく、クライアントワークもリモートであまり支障はなかったのだけど、(家で仕事はできない)という固定観念からカフェやクライアント先で仕事をしていたのだ。

で、結果どうなのかというと快適この上なく働けている

世の中にはリモートにしたくてもできない人が多いため、発言に躊躇がないかと言えば嘘になるけど、言いたいこととしては、安宅さんの提言する「開疎化」は最初は心理的なハードルが高いと思うけど、個人的な働き方に関しては乗り越えられる感覚は確かにあるのだ。

これは僕というミクロな存在から、社会(マクロ)に視野を広げても良い話でもある。僕のようにフリーランス的に働く人の割合が増えて、リモート人口を増やすことができれば、全体的にウィルスへの感染・被感染リスクは減らすことができる

半リモートワークの正社員と、リモートワークの非正規雇用を組み合わせるなど、組織の在り方を見直す必要があるかもしれない。いや、もともとあったのだけど、Withコロナではそれが顕著になる。それが一つの発見。

あとは自ら組織を作る上でも、基本的にはリモートで問題ないように作り、必要に応じて集えるように環境や組織のルールを作ればいい

僕が行うクライアントワークの場合、たとえばメディアの運用戦略を決めてクライアントとすり合わせ、各コンテンツはリモートで作っていけばいいから問題ない。

ブランドの方は、もともと家でスムージーを楽しんでもらう設計だから問題ないけど、店舗展開は考え直すことにした。人が集まる「密集」は避けなくてはならない。

「開疎化」の考えをもとに店舗展開を考えると、新しいアイディアが生まれそうだ。(この辺の考えはまた機会があれば別で行う。)

しかし、ブランドの成長で言うとリモートで問題ない。D2Cは総合格闘技ばりに考えなくてはならないことがたくさんあるけど、プロモーション・ブランディングでブランドサイトに来てくれる人を増やし、そこでの購入数を増やすこと。さらにその前段として、ファンになってくれるような働きかけをたくさんしていくことをがんばるだけだ。

絶望かもしれない。でも人はその絶望の先に希望を見つけられる生き物だと思う。すくなくとも僕はそう願っている。