実はこの話と、先日たまたま読んだカヤックの柳澤さんとクラシコムの青木さんの対談記事がリンクしていたから、備忘録として残しておきたい。
以下の引用は全てこの記事からだ。
──生き方改革とは、どういう働き方のことでしょうか?
柳澤 一つは、仕事を通して成長する喜びと幸せを感じていくこと。もう一つは、精神性の深さを追求することです。
例えば、仕事の中で、自分はこんなことに気づきがあった、と発見するのも一つの成長で、この自己成長を感じると楽しくなります。そんな働き方が注目されるようになっていくかもしれませんね。マインドフルネスもトランステックもその文脈ですね。
経営者の場合は、事業と組織を拡大する過程で壁にぶつかり、苦しんで学ぶ中で成長するものですから、そもそも精神性と深くリンクしています。
経営者が精神的に成長しないと、会社もしっかり成長していきません。
前回、僕なりの言葉でまとめた「幸福」はこうだった。
- 幸福とは安心できていること。
- 安心とは目的意識をもって、成長していること。(可能性を感じている)
- 裏を返せば、「自主的な目的設定」と「成長の実感」が安心につながり、その安心が幸福につながる。
柳澤さんは今はもう「働き方改革」ではなく「生き方改革」が必要だとして、仕事を通じて「自己成長」を感じたり、「精神性の深さを追求する」ことが大事だと言っている。
柳澤さんご自身は経営者なので、「自分の精神的な成長が会社の成長につながる」という目的設定をしている点にも注目だ。
続いて、青木さんの言葉。
──なぜ、ビジネスでも精神性の深さが重要になってきているのでしょうか?
青木 昔のモノが足りない時代は、何かいいモノを作ったら、それだけでも売れることが多かったと思います。でも、今の時代はいいモノが世の中に広くあふれています。そこで選んでもらうためには差別化が必要ですが、それは本当に微細な差(良さ)でしかありません。
ですから、その微細の差に気づき、意味づけをして、人に説明する力が問われています。説明したことを理解し納得してもらうためには、相手の立場に立って考えられることや、多方面からみてデリカシーのある振る舞いができること、つまりは「いい人」であることも重要だと思います。
そのせいか、僕はお金持ちや有名になりたい気持ちはないのですが、「いい人間になりたい」という欲はすごくあるんですよね(笑)
要約すると、以下のようになる。
- 今の時代はいいモノが世の中に広くあふれている
- 選んでもらうためには差別化が必要
- しかし差別化と言っても、本当に微細な差(良さ)しかない
- だからその差に気づき、意味づけをして、説明する力が必要
- 説明して納得してもらうには、「いい人」であることも重要
- だから「いい人」になりたい
青木さんの言葉を僕なりに解釈すると、人に納得してもらうには、”論理的に話せる”といった単なる「説明能力」だけでなく、”そもそも人としてどうか?”といった、「信頼・信用」が高い必要があるということだ。
発言の背景を想像すると、青木さんは経営者であり、モノを売るビジネスをしているため、常に自分の説明を納得して受け入れてもらうことがとても重要なのだと思う。
さらに僕なりの解釈でシンプルにまとめると、以下のようになる。(前後の文脈は、はしょっています。)
柳澤さん「自分の精神的な成長が会社の成長につながる。だから精神性の深さを追求する。」
青木さん「説明に納得してもらうために、いい人になりたい。だから精神性を深める。」
こうして見ると、なぜ経営者が「精神性を深めたい」と思うのか少し理解できる気がする。
今の自分はまだ「経営者」とは言えないけど、大いに参考になる対談だった。